9日、小雨が降る中、秩父宮ラグビー場では第105回全国高校ラグビー選手権大会・東京都予選決勝が行われた。第1代表は目黒学院が6年連続2回目、第2代表は早稲田実業が2年ぶり9度目のの花園出場を決めた。
2025/11/10
文●編集部
目黒学院 竹内圭介監督
立ち上がりからリズムに乗れるような、うちらしいディフェンスでそういった部分が今日の勝利につながったんじゃないかなと思います。

目黒学院・竹内圭介監督
――6度目の花園となります。花園での勝ち方だったり、戦い方についてチームにどう植え付けていく?また選手層の厚さの部分で今年のチームはどうか
6度目ではありますが、毎年メンバーが変わっているので、本当にこれは6年携わっているスタッフと選手が、本当に一つのチームを作り上げているというところに、変な言い方ですけど、僕はすごく感謝しています。選手個々の能力は毎年変わってくるので、伝統的にこのラグビーをやるというものを確立しないで、選手たちに一番合う形を追求していっているのが現状です。
その中でもやっぱりディフェンスとタックルとブレイクダウンというのは、ブレちゃいけないのでそこに対してのこだわりはありますけど、勝ち方云々というのは中々わからないですけど、選手層がというところも含めて、ラグビーを面白くするということの価値観が続いているんじゃないかなと思います。

キックオフ直後のの接点でプレッシャーをかけた目黒学院が相手のペナルティを誘ってマイボールへ
――過去2年のチームと比べると今年のチームは?
明るいですね。私はこの3年生の担任なんですけど明るすぎてというところもあるので、それがいい形で開いていけば面白いですし、誰よりも一番声を出さなきゃいけない担任なんで(笑)。
目黒学院 及川 拓巳主将

及川拓巳主将
今日の試合に向けて前回の準決勝から東京朝鮮高にラグビーをさせないように、ディフェンスのところとかブレイクダウンのところにこだわって練習してきて、立ち上がりの部分からそこの部分が出せたのでそこは良かったと思います。
――キックオフ直後のボールをマイボールに再獲得できたところで流れを引き寄せました。試合前に何をやろうとみんなで話していたか。
自分たちはディフェンスのチームというのをずっと掲げているんですけど、この大舞台で緊張ももちろんみんなしてたと思いますし、そこに対して、一発目の接点のところでしっかり返そうという、そこができれば、緊張も取っ払えるし。自分たちのラグビーが絶対できるからということで、そこを意識した結果がああいう形になったと思います。

――先輩たちの記録を途切れさせずに花園に行けた気持ちは?
ホットしています。やっぱり自分の代というのは昨年、一昨年よりも思いが強いんで、今年のチームは昨年の花園での負けからスタートしているんで、12月30日、しっかりリベンジして日本一になっていきたいと思います。
GALLERY

東京朝鮮高

目黒学院

前半1分・阿部史門のトライ

B中村理応のゴールは決まらず

前半6分ロケティのトライ

前半15分モールからFL北村昇磨が飛び出す

そのまま北村がトライ

前半18分ロケティが2本目のトライ

前半20分阿部も2本目のトライ

前半26分ラトゥ・カヴェインガフォラウもトライ決め34-0と試合を決めた

後半1分中村のトライ

後半6分PR阪井麟太郎のトライ

後半12分伊藤琉真のトライ

フォノヘマ・シオネ(2年)

早稲田実業 大谷寛監督

早実・大谷監督
東京高校の勝負への執念というか、どこまでもついてくるという、心強い試合というか、東京高校の凄まじさを身に染みて感じた試合でした。それに対してうちの選手たちが最後まで我慢しきったという試合でした。
――勝因は?
3年生が頑張ったことと、東京高校とは新人戦やって、春やって、こういう試合の図式になるのはもうみんな理解はしていたので、取り切るところで取り切れたのは一つ大きな勝因だと思います。あそこで取り切れないと、東京高校のペースというか、土俵になってしまうので。
早稲田実業 河村和樹主将

河村和樹主将(一番左)
すごく苦しい試合だったんですけど、去年この同じ舞台で花園に出れないおちう経験をしてからこの1年間ずっとここを目標に切磋琢磨頑張ってきたので、1年間やってきたことを思い出して、ずっとチームに声をかけ続けて、みんなもそれに応えてくれました。
まだ自分たちは足りないところありますけど、それでも勝ちきったということが成長につながると思いますし、あと1ヶ月とちょっとラグビーができるというのは嬉しいことなので残りの時間も頑張りたいと思います。

――相手が久我山でなくて東京高校だったことについて
やっぱり久我山を倒してきているということ、波に乗っていると思っていましたし、今季、1勝1敗だったので、間違いなく簡単な試合になるとは思っていなかったんですけど、相手の強みというのは自分たちは理解して練習してきたんですけど、対策不足というのは少しあったかなと思います。
ずっと久我山、久我山、と言うふうに練習してきて、そこから切り替える必要があって、いろいろ難しい複雑な気持ちがありました。チームみんながしっかり切り替えて、この一戦に気持ちを持ってきてくれたことが勝利につながったのかなと思います。

――2年ぶりの花園出場を決めた思い
自分は1年生の頃に花園でて、そこがベースになってしまったんで、昨年花園に出れなかったということがやっぱり悔しくて、目標を花園に出るということにして1年やってきたんですが、去年は、目標、目標としてやってきて負けてしまったんで、同じことをやっても勝てないということは自分たちの中でもよくわかっていたんで、目標といっしょに「目的」ということも掲げるようにしました。「勇気を与える」ということです。

東京の猛攻を耐え凌いだ早実が2年ぶりに花園へ
目標だけだと視野が狭くなってしまうので、目的という大きく抽象的なもを持つことで、自分たちだけじゃなくていろんな人にも影響を与えられるようなチームになりたいよねという話をチームのみんなと話して決めました。
ミーティングの中では造語ですけど「他喜力(たきりょく)」というキーワードをチームで作りました。他の人のために頑張ることで、自分がより頑張ろうと思える力という意味です。(きっかけは)今年から始めたメンタルトレーニングです。何のためにラグビーをやっているんだろうという風に考えたことが今までなかったので、そういう新鮮な考え方を取り入れました。
また明日から花園に向けてチーム全体で考え直して、どういう目標を持って花園に入り向かっていくかということを考えていきたいと思います。


