10日、ジャパンラグビーリーグワン、横浜キヤノンイーグルスはプレーオフ進出を逃し、今季最終戦で首位の東芝ブレイブルーパス東京に挑んだ。序盤から連続トライで苦しい状況が続くと、後半も突き放されリードを広げられるも、最後まで戦う姿勢を見せて終盤、2トライを決めてノーサイド。最終戦を勝利で終えることはできなかったが、SO武藤ゆらぎ、SH土永旭など若手選手が今後の新生イーグルスの可能性を垣間見せた。
絶対的司令塔、田村優、沢木敬介監督、そして今季で現役引退をする嶋田直人ゲームキャプテンの試合後コメントを紹介する。
横浜キヤノンイーグルス 田村優
楽しかったですよ。(武藤ゆらぎの)成長も間近で見れましたし、迷惑をかけないようやりました(笑)。(12番は)もういなくて、けが人で、緊急作ですけど。本当は10番したかったですけど。別にチームのためなら何でもします。

この試合、武藤ゆらぎが10番、田村は12番で先発
ーー嶋田直人選手の最後の試合
もうハードにいきました。最初からだけど、やっぱり基本的にプレッシャーを受け続けていましたね。あとは、最後のミーティングで、嶋(田直人)が、あれ、泣かしにきたんですよ。1発目、べそかいたような顔して目が合ったんですよ。あれで、僕は見事に泣かされました。なんで、頑張らなきゃなと思って、モチベーション難しい試合で合ったんですけど、もう10年一緒にやっているんで。

まあ寂しいですけど、本当はね。プレーオフ行って良い状況で送り出したかったですけど、これもラグビーかなと。

ーー来年は?
一応、考えています。ラグビーしますよ。来年も。契約ごとなんで。彼(武藤ゆらぎ)が日本代表に入って一端になる前に見捨てたら、友達いなくなっちゃんで。今回入らないともうないぞ、とは言ってます。ワールドカップまで日数少ないんで。10番急にって言っても難しいと思います。今回入らないと。

ーーまだ一緒にプレーして伝えたいことはある?
ありますね。
ーー今日の武藤選手のプレーは
よかったですよ。頼もしさもあるし、こういうオープンな試合になると力を発揮すると思うんで、タフな試合になってくると、それは経験しないとどうにもならないと思う。それも経験してほしいですし、経験してコケたら僕が立て直せばいいし、若手のね、土永くんとかもいますけど、若手の成長は僕の成長でもあるので、ラグビー選手として食っていけるなと思っています。

武藤ゆらぎ
ーー何歳までやりたい?
そういうのはないけど、キャノンで優勝したいですよね。これ以上うまくなれる領域がなくなってきたんで、ここから足も速くなるわけではないですし、いいところ見てやっていきます。(いつまで現役でやるかは)自分で決める。
横浜キヤノンイーグルス 沢木敬介監督

沢木敬介監督と嶋田直人
今シーズン思うような結果が出なくて、チームとしてもすごく残念です。今日も本当は嶋田の引退試合だったから、勝ってみんなで送り出そうと言っていたんですけど…。望んていた結果にはならなかったですけど。嶋(しま)もこれから指導者の道へ進むと思うんで。負けた試合で胴上げされるような監督になってもらいたいと思います。

ーーシーズン後半でけが人が出て主力メンバーがいなくて苦しかったのでは
けが人は、もちろんシーズンで出ると思うんですけど、1年間、細部にこだわって、毎回毎回、トレーニングにもこだわって準備しにと崩れるのは本当早いと思います。そういう環境をつくれなかった僕の責任だと思います。
去年は、けが人が出てもそこから代わって入ったメンバーがすごく頑張って、チーム力がそんなに落ちることもなかったんですけどね。今年はなかなかうまくいかなかったですね。

ファーストキャップを獲得したSH土永旭
ーー今日の試合で初キャップをとったSH土永旭選手について
ポテンシャルはもちろんあると思います。ただまあ、ここからまだまだ、何ていうんだろう、レベル的にはまだまだ全然だし、ファフもいる、そういう環境の中でしっかり成長できれば将来は本当に楽しみな選手だと思います。
ーー今季振り返ってどういうところをもう少しやれば…と思うか
こだわりもって、やっぱり勝つのって難しくて。大概、勝利っていうのは本当に細かいところで決まると思うんですよ。細部にこだわっていく。それは日頃からこだわりを持って、全員でやる、というのが僕は大事だと思うし、こだわりを信じてやるというのが大事だと思います。

ーー今季は3月くらいからなかなか勝てなくなっていく状況だった
やっぱりさっきも言いましたけど、こだわりを持たなきゃいけないということです。
ーー最終戦に向けた一週間の向き合いは?
イーグルスのラグビーをやろうと、ミスを恐れずにチャレンジしないんじゃなくて。そういう話をしました。
横浜キヤノンイーグルス 嶋田直人ゲームキャプテン

嶋田直人
お疲れ様です。本当に目標しているところにもいけず、最後の試合も負けてしまってすごく残念なんですけど、イーグルスらしさ、イーグルスのスタイルというのは随所に出ていたんじゃないかなと思うので、来季残るメンバーが必ずもっといい景色の舞台に行ってくれると思うので、僕はそれを応援したいなと思います。

ーー去年、一昨年で良かったけど、今年はプレーオフにいくことが出来かなった
まあ、残念で、今年はファイナルの舞台に立って、優勝を目指すというふうにチームで決めてスタートしたので、その目標を達成できなかったのは本当に残念です。勝負事なんで、勝つときもあれば、負けるときもある。チームメイトはみんな一生懸命やってましたし、手を抜いている選手もいないですし、こういう悔しさを来季晴らすために頑張ってくれると思います。

ーー沢木さんが監督に就任して変わったところは?
毎回の練習でしっかり100%出してそのための準備をする。みんなずっとこだわりを持つというところもありますし、細かいところですね。どんな強度でも自分たちのスタンダードをしっかりやる、そこは沢木さんが来てから変わったところだなと思います。

61分、現役としてのプレーが終了。古川聖人に託した。
ーー現役最後の一週間はどんな時間だったか?
最初の一日目とかはあんありそういう実感もなくて、試合当日も、そこまで実感もなかったです。最後、古川(聖人)選手と代わってから、まあ終わったんだなっていうふうに思いました。
(ここで沢木監督がカットイン)
沢木 80分出す予定だったんですよ。全然代える気なかった。肉離れしたからね(笑)。

深くピッチに頭を下げて現役選手としての終止符をうった
ーーメンバー外でしたが、庭井選手とはどんな話を?
朝、ラインくれて、一緒に出れへんくて残念やけど、楽しんでプレーしてというふうには行ってくれたんで、僕も彼とは、18歳、19歳から一緒にプレーしているんで、一緒に出たかったですけど、まあ感謝しかないですね。ずっと一緒にやってくれてありがとうというふうに伝えました。

ーーどんな現役生活でした?
たくさんの方に応援してもらって嬉しかったですし、本当に感謝しかないです。まあ、ほとんど負けていたんで。でもきついシーズンもありましたけど、3位になったシーズンもあったり、プレーオフに2年連続進出したシーズンもあったんで、良いラグビーのキャリアを歩めたのかなと思います。悔しい思いもしましたけど、この悔しさが、多分僕の今後の人生の力になると思うんで、いいラグビー人生でした。

ーーこれからどんな指導者を目指したい?
厳しくもあれ、選手と一緒に成長していけるような指導者になれたらいいなと思います。