21日、NTTジャパンラグビーリーグワンは第9節、コベルコ神戸スティーラーズ(3位)はホーム・神戸ユニバで首位、埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦し、40-24で快勝。レギュラーシーズンではトップリーグ時代の2003年以来の勝利を収め、2位に浮上した。
前半3分にワイルドナイツSH小山大輝にパスインターセプトされ先制を許し、さらに18分にもWTB竹山晃暉のトライで0-12とリードされる。それでもフィジカルバトルでは、NO8ワイサケ・ララトゥプア、CTBタリ・イオアサのパワフルな突破で22mエリアに入ると、25分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み最後はHOアッシュ・ディクソンがトライを決める。

ブロディ ・レタリックを先頭に入場

前半3分小山大輝がパスインターセプトしトライ

ワイサケ・ララトゥプア

上ノ坊駿介

前半25分、ゴール前ラインアウトから

アッシュ・ディクソンのトライ
その直後、WTB松永貫汰がショートパントで裏のスペースにボールを蹴り込むと、ワイルドナイツNO8ユアン・ウィルソンがボールを残すも野口竜司がキープできず、そのボールを松永貫汰が手にしてそのままトライ。12-12の同点とする。その後お互い1トライずつ決めて19-19の同点で前半を終える。

前半29分松永貫汰のトライ

李承信のゴールは決まらず

アントン・レイナードブラウン
後半、スティーラーズが、当日変更で先発出場となったWTB植田和磨のトライから3連続トライでワイルドナイツを引き離し勝負を決めた。スティーラーズはその後ワイルドナイツを1トライに封じ込め勝利。スティーラーズは8連勝。バイウィーク前の次節は浦安D-Rocksに挑む。
一方、今シーズン初黒星を喫したワイルドナイツは、2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが勝利したため3位に転落。次節はホーム・熊谷に戻って三重ホンダヒートを迎え撃つ。

後半2分植田和磨が突破

植田和磨がそのままトライを決め流れを引き寄せた

野口竜司と上ノ坊駿介の空中戦

後半9分からピッチに入った長田智希

山沢拓也

稲垣啓太

谷山隼大

後半30分ようやく野口竜司のトライでワイルドナイツがスコア

10000人に迫る来場者となった
コベルコ神戸スティーラーズ デイヴ・レニーHC

デイヴ・レニーHC
パナソニックは素晴らしいチームですので、今日勝利ができたことは本当に嬉しく思います。今日の試合で自分たちがレベルアップしていることも見せないといけないということはわかっていましたし、前半はボールを保持している時のプレーも良く、ディフェンスも機能していたと思います。ただ、数本のキックやインターセプトでトライを許した場面もありました。それでも、選手たちが冷静さを保っていたことには本当に感銘を受けました。
後半の入りも非常に良く、最初の15分で3トライを挙げたことが勝負の決め手となりました。厚みのあるディフェンスを何度も繰り返したことで、ターンオーバーを生み出すことができました。プレッシャーをかけられても自分たちのモメンタムを取り返すこともできました。重要な勝利を収め、今シーズン、チームの勢いを維持できたことを非常に嬉しく思います。
――ハーフタイムでの指示は?
しっかりボールをもっていたら、自分たちは良い結果が生まれているという話しをしました。敵陣22m内に4回侵入し、3つのトライと1つのペナルティを得ました。インテンシティ(強度)を上げ、ピッチの様々なエリアを使ってプレーできれば、勝機はあると感じていました。エリアマネジメント(陣取り)でも優位に立っていましたから。
ボールの動きも速く、良いゲインラインを突破できていました。あとは自分たちのラグビーを信じ、お互いのために次の40分間ハードワークし続けるだけでした。天候についても、味方してくれた(あるいは対応できた)ことに満足しています。

POMにはウォーミングアップでイノケ・ブルアが負傷し急遽先発出場となった植田和磨が選ばれた
――急遽先発が決まった植田和磨選手のパフォーマンスについて
彼は試合開始のわずか15分前に、自分が先発することを知らされたんです。ですが、今週はそのポジションでの練習もかなり積んでいましたし、我々には層の厚さがあります。次に誰が入っても、自分の仕事を完遂してくれるという信頼がありました。
彼のハイボールの処理は素晴らしかった。ハイボールに対して非常に積極的でしたね。ディフェンス面でも、先週よりずっと良くなっていたと思います。こうしたプレッシャーへの対応は非常に重要で、うまく調整できました。付け加えると、相手は本当にディフェンスの良いチームでした。

タリ・イオアサ
――ワイルドナイツが「コンタクトエリアで負けた」と言われていました
彼らはディフェンスの穴を埋めるのがうまく、コンタクトの局面でも大型の選手が揃っています。しかし、我々はフットワークで1対1の状況を作り、オフロードパスを繋ぐことができていました。また、ハーフタイムを経て、クリーンアウト(ラックの掃除)の質が一段階上げることができたのは良かった。
――ハーフタイムでクリーンアウトについて指示をした?
特別指示をしたということではないです。もちろん、前半は相手にタックルの時間を与えてしまっていると感じていたので、いかにその時間を排除できるかという話はしましたけど。相手のディフェンスが疲れてくる中で、ラックへの到達スピードで勝ち、クリーンアウトを徹底できるか、それが後半できていたと思います。

ゴール前の粘り強いディフェンス
――ディフェンスの成長は新コーチの成果がでている?
後半はマルチフェーズ(多段階の攻撃)を通じてプレッシャーを構築することができました。これは大きな収穫です。昨年から変化を加えてきましたが、ピート(ディフェンスコーチ)は素晴らしい働きをしています。お互いのためにハードワークできる選手たちが揃っています。今日のチームの連携は抜群でした。それによって(相手の)ミスを誘い、ターンオーバーを強制することができました。ただ、課題はまだ山積みです。
――選手層について
我々は育成に非常に力を入れてきましたし、ここ2、3年の大学でのリクルーティングもうまくいっていると思います。
そのため、毎週メンバー争いをする大きな選手層ができています。サラマンダーズ(控え組やサテライトチーム)のメンバーも、我々の準備を助けるために懸命に動いてくれています。チャンスを掴んだ選手たちは、皆期待に応えてくれました。
理想的な形です。「試合に出る権利は自分で勝ち取るもの」という哲学のもとで取り組んでいます。それは日々の練習態度や、週末の試合でのチャンスをどう掴むかによります。今日リザーブから入った今村陽良も、非常に素晴らしかったですね。なにせ彼がメンバーに入ったのはおそらく4,5週間ぶりのことですから。
コベルコ神戸スティーラーズ 李承信共同キャプテン

李承信
自分たちも7連勝で、パナソニックさんも8連勝しているお互いに勢いと自信をもっているチーム同士で、自分たちはさらに強いスティーラーズを証明しようというマインドセットで挑みました。
前半のところは特にディフェンスを崩されてトライを許してしまうというよりか、一瞬のアンストラクチャーでのこぼれ球のところでトライを与えてしまったので、特に自信を失うことも試合中はなかったですし、前半、22mに進入した際にはしっかりペナルティだったり、自分たちのスコアで終えられていたので、自分たちのシステムを一人一人が進行しながらゲームを進めたことが、後半3トライ取りましたけど、そこにつながったかなと思います。
今日の勝利でチームがまた一段と自信につながったと思いますし、来週も勝利してこのブロックを最高の形で締めくくれるように、さらにいい準備をして挑みたいなと思います。
――エリアバトルについて
試合前からどれだけスマートにラグビーできるかというところは、(上村)樹輝ともアタックコーチともコミュニケーションを取りながらできましたし、前半、無理に攻めるのではなくて、コンテストボールとかに切り替えながら、受け身になる場面もありましたけど、空中戦でどれだけ敵陣に入れるのかというところは今シーズン通して積み上げてきたものがあるので、今日の試合もうまくできたかなと思います。

上村樹輝
しっかりいいディフェンスができていたので、自分たちのマイボールとなったところで、スペースにボールを動かしたり、裏にキックしたり、うまく結果を得られていたかなと思います。
ただ、キックオフからの選択だったり、22m内に入られてボールをしっかり出し切るところはまだまだ精度のところは向上できると思うので、今後もチームとして取り組んでいけたらなと思います。
埼玉パナソニックワイルドナイツ 金澤篤HC

金澤篤HC(左)
神戸さんのパフォーマンスは本当に素晴らしかった。特にコンタクトエリア、ブレイクダウンのところで、自分たちも踏ん張っていたんですけれども、良いプレッシャーをかけてきたなというのが一番の印象です。
キーのところで神戸さんは良いフィニッシュをして、自分たちはできなかったというのがこういう点差に繋がったのかなと思います。まだ(シーズン)真ん中なので、しっかり修正して次に向かっていきたい。

ブロディ ・レタリック
――今年の神戸の良さはどういうところだと感じたか?
自分は一番はコンタクトエリアの勢いだと思います。キャプテンのレタリックだったり、何人かいいボールキャリアがいて、そこで推進力が生まれている。その勢いをしっかり止めていかないと厳しくなってきますし、規律のところでもプレッシャーがかかる状態になってくると思います。
埼玉パナソニックワイルドナイツ 坂手淳史キャプテン

坂手淳史
素晴らしい雰囲気の中でラグビーができて良かったです。僕自身も関西出身ということで、関西に帰ってきてゲームができるというのは、なかなかリーグワンでも少ないチャンスでもあるので、嬉しかったです。
ゲームに関してですが、すごく残念な気持ちです。自分たちの練習してきたことがうまくいかずに逆に神戸さんのプレッシャーを受けてしまった結果がこういうゲームになってしまったと思っています。
ヘッドコーチも言ったとおり、シーズンの半ばで自分たちの立ち位置を知るという面では良い時間だったと思うのでここからさらに突き詰めて来週のゲームに向けて、みんなで少しずつうまくなって、良くなってゲームをやっていければと思っています。

――立ち上がりのディフェンスは機能していたが、ペナルティなどパナソニックらしくないプレーが出た要因は?
おっしゃられていたとおり、良いディフェンスをしていましたが、いらないペナルティ、個人のミスもあれば、組織的なミス、僕はほとんどが個人のミスだったと思うのですが
そういうところで相手の勢いを止めているにも関わらず自分たちのペナルティで下がってしまう。そういう状況になってしまったので、自分たちの首を絞めたと感じます。
あとはゲームの多くの時間帯で自陣でプレーしてしまったとも感じていて、そういうところは反省が必要かなと思います。
要因に関しては、いらない反則はレフェリーとのコミュニケーションの部分もありましたし、後はどけなかったり、そういうオーソドックスなものから、本当にいらないものもありました。そこはレビューしながら確認していきたい。
――縦に強い相手に対して差し込まれてしまったり、不要なペナルティの解決策は?
今日のペナルティは差し込まれたというよりも、本当にいらない反則が多かったですね。ラインアウトのペナルティ、ラックの中で手を使ったペナルティ、そして自陣に入られモールでトライをされてしまう、すごく嫌な流れのトライを与えてしまったのでそこは反省です。
――ほとんどが個人のミス?
僕の感覚ではそうですね。判断ミスが多かったです。そこはしっかりとレビューしながら、自分たちのスタンダードレベルというのを示しながら、どういうことをやっていくか、無理やりボールを取ろうとしなくても、もっといいディフェンスを自分たちはもっているので、そこに対しての自信をみんながもっていけば自ずと解決していくと思うので、そこに関してはコーチ陣、リーダー陣も含めて話していきたい。

