3月1日、リーグワン第10節の静岡ブルーレヴズvs東京サンゴリアスの試合が静岡・ヤマハスタジアムで行われ、サンゴリアスが57-24で勝利。6勝3敗、勝ち点を31に伸ばし、暫定順位を4位にあげた。静岡は3勝7敗、勝ち点16で足踏み。順位は7位で変わらない。
2026/03/02
文●大友信彦
3月1日、リーグワン第10節の静岡ブルーレヴズvs東京サンゴリアスの試合が静岡・ヤマハスタジアムで行われ、サンゴリアスが57-24で勝利。6勝3敗、勝ち点を31に伸ばし、暫定順位を4位にあげた。静岡は3勝7敗、勝ち点16で足踏み。順位は7位で変わらない。
試合は開始から静岡が激しいタックルでサンゴリアスにプレッシャーをかけるが、サンゴリアスは最初のスクラムで奪ったPKで敵陣に攻め込むと、6分にWTB尾崎晟也のトライで先制。8分に静岡WTBマロ・ツイタマがヘッドコンタクトでイエローカードを受けると、サンゴリアスは数的有利を活かし、10分にラインアウトモールからタタフ、14分に連続攻撃からPR竹内、17分には相手パスミスを拾ったCTBプニヴァイが自陣から独走。数的有利の10分間に3トライを奪い26-0までリードした。

初先発リーグワンデビューのWTBジャック・ティム

リーグワンデビューの静岡FB杉本
静岡もツイタマが戻った20分、FLヴェティ・トゥポウの突破を起点にクワッガ・スミス主将、マルジーン・イラウアのFW第3列陣が連続で突破し、LOダニエル・マイアヴァが初トライ。5-26と反撃開始。

FLヴェティ・トゥポウのビッグゲイン

LOダニエル・マイアヴァのトライ
だがレヴズはチャンスを作ってもアタックで孤立あるいは取り急いでかサポート選手が前掛かりになってパスが繋がらず、ボールをロスト。サンゴリアスは31分に尾崎晟也、34分にはクワッガ・スミスからホッキングスがジャッカルでボールを奪いプニヴァイがトライ。前半はサンゴリアスが38-5と大きくリードした。
後半も先に点を取ったのはサンゴリアスだった。相手ゴール前に攻め込んだラインアウトを失敗し、いったんは相手ボールのスクラムになったがレヴズ得意のスクラムでPKを奪うとSH流大がクイックで仕掛け、FL下川甲嗣がトライ。11分には敵陣で相手のパスをLOホッキングスが長い腕を伸ばしてインターセプトしてそのままトライ。52-5と大量リードを奪った。
このままでは終われないレヴズはそこから反撃開始。苦しんだスクラムはルーキーながらスクラムでは無類の強さを誇る稲場巧が入って立て直し、前節のヒート戦でデビューしたばかりのSH細矢聖樹が素早い球さばきで連続攻撃を仕掛けてアタックのリズムをスピードアップ。22分に、この試合でトップリーグからの通算試合出場150の大記録を達成した大戸の突破からマイアヴァが2本目のトライ。24分にヴェティ・トゥポウの突破から途中出場のシルビアン・マフーザ、28分には途中出場のFL庄司拓馬のパワフル突破からWTBツイタマが決め、3連続トライで34-52まで追い上げた。

サンゴリアスはLOホッキングスの高さでラインアウトを完勝

長い腕で相手パスをカットしてトライを決めるホッキングス

後半15分、中村亮土が途中出場で100キャップ達成

サンゴリアスFBトラスクは6度のゴールキックを成功
もう1トライをあげればBPを視界にとらえるところまで反撃したレヴズはさらにサンゴリアスゴール前に攻め込むが、スクラムからのアタックで落球、蹴り出されたあとのラインアウトでもボールを失って攻め込まれ、WTBツイタマがカウンターアタックを試みるがサンゴリアス防御につかまりノットリリースザボール。このPKで久々に相手ゴール前に攻め込んだサンゴリアスは、右ゴール前のラインアウトから一発でWTB尾崎晟也がこの試合3本目のトライ。57-24と突き放して試合を終えた。

健闘を称える両チーム
サンゴリアスの9トライ、57得点はともに今季最多。サンゴリアスWTB尾崎晟也はこの日3トライをあげPOMを受賞。リーグワンになってからの通算トライを49に伸ばし、リーグワン通算50トライ一番乗りに王手をかけた。

小野晃征HCとサム・ケインキャプテン
「静岡は勢いのある強いランナーが多い中、自分たちのラグビーを見せたいと準備してきました。60分は自分たちのラグビーをして、そこから静岡の勢いもあったけれど、最後に取り切って終われたのは良かった。これからも連戦が続くので、引き続き頑張っていきたい」
――好調の理由は。
「シンプルに、15人全員がアタックに参加したいと考えていること、人ではなくスペースにアタックしようとしていることだと思う。9番と10番のところで速い判断でチームを前に運べたと思う」
「第3節のスピアーズ戦で点をたくさん取られたあとで、自分たちを見直して、毎週毎週、常に課題を出して修正しているのが生きていると思う」
「きょうはビッグチャレンジになることは分かっていた。チームとして一貫性を持って規律を守り、スキルを使う面でも規律を守れた。BPも含めて勝ち点5で勝てたことは良かった。我々は来週も試合があるので、ここからさらにビルドアップしていきたい」
「チームはバランスが取れてきていると思う。FWは前に出ているし、BKはスペースにボールを運んで、全体的にスキルを発揮できていて、アタックでは同じページを見ることができている」

クワッガ・スミスキャプテンと藤井雄一郎監督
「今はケガ人が多くて、その中でもいい流れを自分たちで作りたいということで若い選手をたくさん出して、彼らも80分間頑張ってくれた。(前半は)いろいろなミスで得点を挙げられましたが、ハーフタイムに『たくさんの人にきてもらっている中で、このまま終わるわけにはいかない』とハーフタイムに話して、そこから選手が奮起して、後半はトライも取れた。したばかり見ているわけにはいかないので、また立て直して次に向かっていきたい」

途中出場でゲームをテンポアップさせた静岡SH細矢
――細矢選手ら若い選手がよくやっていた。
「(細矢は)球出しも早いし、自分も果敢に攻めていくので、スクラムハーフらしいスクラムハーフだなと思います。あれぐらいのテンポで出してくれるとチームとしてはスペースがたくさん出てきますし、そういう意味では、若い選手は今日は良い活躍したなと思います」
――ケガ人の復帰の見込みは。
「次の試合にはたくさん戻ってきます。本当に今日が一番きつい週だった。ここを乗り越えたら少しずつ上がっていくかなと思います」
――前節に負傷交代したテファレは?
「彼はちょっと重症なので、今季は戻ってこれません」
「結果にはがっかりしている。前半はミスが多すぎた。ファイトする姿勢は良かったけれど、サンゴリアスにあれだけリードされてしまうと苦しい。ハイボールでのミスからトライを取られたし、マロのいなくなったエッジで取られてしまった」


大友信彦(おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |