14日、磐田市のヤマハスタジアムで、NTTリーグワン2025-26第8節の注目対決、静岡ブルーレヴズvsクボタスピアーズ船橋・東京ベイの一戦が行われた。
ここまでスピアーズは第6節にブレイブルーパスに敗れたものの6勝1敗、勝ち点30で2位、ブルーレヴズは3勝4敗、勝ち点15でプレーオフ圏ギリギリの6位。前節は神戸に45-60と大敗していただけに、連敗は避けたいところだ。

試合前に行われたレヴズの新入団選手公開会見(左からCTB/WTBフルックス、WTB御池、CTB/FB/SO奈須、LO能勢)

この日もヤマスタのスタンドは蒼く染まった

試合は静岡SO家村のキックオフで始まった
前半、先手を取ったのはスピアーズだった。9分、FBシェーン・スティーブンソンの突破からSOフォーリー~No8マキシ~WTB木田晴斗と繋ぎ、ゴール前でリターンパスを受けたマキシが左中間に飛び込み先制。フォーリーがコンバージョンを決め7点を先行する。

廣瀬雄也

家村のキックにプレッシャーをかけるマークス

マキシファウルアのトライ
スピアーズはさらに攻勢に出るが、クワッガ・スミス主将が先発に戻ったブルーレヴズは、序盤から失点を重ねた前節の神戸戦とは別人の厳しいディフェンスで対抗。16分にはスピアーズNo8マキシにWTBマロ・ツイタマがジャッカルをかけてピンチ脱出。18分にはクワッガのターンオーバーからCTBピウタウが50:22キックを決めるなど、互角に試合を進める。

スピアーズFBスティーブンソンはこの日も再三攻撃の起点を作った

静岡SH北村vsスピアーズFL末永
それでもわずかな隙を見逃さないのが今のスピアーズだ。25分、BK展開を試みたブルーレヴズのパスが乱れたところへ鋭く反応したSH藤原忍が拾い、約40mを走り切ってトライ。フォーリーがコンバージョンを決め0-14とリードを広げる。

相手の落球を見逃さずスピアーズSH藤原が拾う

藤原が追走を振り切り40m独走トライ
ブルーレヴズも反撃に出た。29分、敵陣10m線付近右中間のスクラムを押して左へ展開。SH北村とFB山口楓斗が左へ引っ張り、WTBマロ・ツイタマがタッチ際を相手ゴール前まで前進。相手タックルの中を突き進むと、内へオフロードパス。素早いサポートで走り込んだ山口~北村とパスがわたり、北村が左中間に飛び込んだ。家村がコンバージョンを決め、ブルーレヴズが7-14とする。

静岡は左を⑪ツイタマが前進

オフロードパスを⑮山口がつなぎ

⑨北村が初トライを返す

⑩家村がコンバージョンを成功
スピアーズは33分、相手ゴール前5mで得たPKでスペシャルサイン「オペティ」を選択。タップしたオペティがまっすぐ突っ込み、公称体重127kgの巨体でレヴズのタックラー3人を突き抜け、ポスト下にねじ込んだ。7-21とスピアーズがリードを広げる。

スピアーズはラインアウトで圧力をかけ続けた

スピアーズWTB根塚を静岡WTBテファレが捕まえる

スペシャルサイン「オペティ」
スピアーズは35分にも相手ゴールに迫り、LOボタがトライラインに持ち込むが、TMOの末、手からボールがこぼれていたことが確認されノートライ。グラウンディングしようとするボタの腕をはたいたレヴズFLイラウアのファインプレーだった。
これでピンチを脱したブルーレヴズは直後、ハーフウェーからFL7イラウアが相手陣深くへキックし、SH北村がロングチェイス。スピアーズはマキシ主将が戻ってドロップアウトに逃れたが、この激走はブルーレヴズに流れを引き込んだ。40分、相手ドロップアウトからボールを繋いだブルーレヴズは、左サイドにイラウア、ダグラス、ヴェティ・トゥポウがえぐり、左中間ゴール前のラックから一気に右展開。ここまで目立つ場面のなかったテファレが対面・木田のタックルを外して右隅にトライ。家村のコンバージョンは蹴る寸前にボールがティーから倒れる不運もあり失敗。前半は12-21、スピアーズが9点リードで折り返した。

スティーブンソンを止めるツイタマ

静岡DFの前にボタが落球

静岡のブレイクダウン

静岡WTBテファレのトライ

テファレはスタンドに向かいスロットル全開のパフォーマンス
後半は追う側のレヴズが先手を取った。キックオフ直後、ゴール前に攻め込まれたピンチをLOダグラスの鋭いクリーンアウトでターンオーバーしてしのぐと、7分、ハーフウェー付近のスクラムから右へ展開。パスがつながったかどうか微妙な場面があったが、これを拾ったCTBマフーザがインゴールへ。ここはTMOの結果、スピアーズSOフォーリーが相手パスを故意にはたきおとしたとしてイエローカード。いったんはPKで再開されるとコールされたが、レヴズのクワッガ主将が判定に再考を申し入れ。再度TMOで検討した結果、手束レフリーはペナルティトライ相当と認定。ブルーレヴズは19-21と追い上げ、さらに10分間の数的優位を得た。

相手の故意落球があってもマフーザはトライラインへ

クワッガ主将が手束レフリーにPT判定に関して再考を要求

スピアーズの藤原にプレッシャーをかける静岡LOダグラス
だが、ここから流れを掴んだのはスピアーズだった。SH藤原が自陣から3度にわたって巧みなキックを操り相手ゴール前に攻め込むと、数的不利を感じさせない集散のハードワークでフェイズを重ね、PKを得てゴール前へ進むと、ラインアウトからオペティがトライラインめがけてダイブ。いったんはノックオンと判定されたが、TMOの結果、グラウンディングしようとしたオペティが手に持ったままのボールを静岡FLヴェティ・トゥポウが足で蹴ったことが確認され、イエローカード。

数的劣勢になったスピアーズが逆に攻勢に出た

後半投入されたラドラドラも見せ場を作れず

静岡のエースWTBテファレも徹底マークにあう

後半投入されたベテランLO大戸
数的不利の解消されたスピアーズは18分にHOマークス、20分にはマークスとの交代で入ったばかりの江良颯がトライ。19-35とリードを広げる。ヴェティがシンビンから戻ったブルーレヴズも反撃を試みるが、スクラムの圧力を起点にPKを得るが、相手ゴール前のモールでボールを落とし、陣地を進めるキックがノータッチになるなど不用意なエラーも重なり追加点を奪えない。そして40分、スピアーズは自陣22m線付近でPKを得ると、試合を終わらせずにBPを求めてタッチキック。ラインアウトから攻撃を継続したスピアーズは最後、相手ゴール前5mで再び得たPKからマキシ主将が突っ込んでトライ。トライ数6対3で3差をつけ、BP付き勝ち点満額「5」の勝利を掴んで試合を終えた。

観衆

マロvsリカス

スピアーズは自陣PKからアタック

最後はPKからマキシがトライ

健闘を称えあう両xv

蒼く染まったスタンドの一角で声援を送ったオレンジアーミー
勝ったスピアーズのルディケHCは「素晴らしい施設、スタジアム、雰囲気のもとで試合ができたことに感謝する。ブルーレヴズ戦はこれまで、試合の最後の最後に追いつかれたり、逆転負けをしたりして、今日もタフな試合になることは分かっていた。80分の最後まで分からない試合になることは予想していたし、戦い抜いた選手を誇りに思う」と相手チーム、初訪問のヤマハスタジアムと自軍の選手を称賛。

フラン・ルディケHC
ブルーレヴズの藤井監督は「先週(の神戸戦)は点数を取られすぎて、取られ方もよくなかったので、今週はディフェンスに力を入れて準備しました。最後は点差が開いたけれど、中身は違っていて、小さいミスはあったけれど修正したところは出せた。ただ、クボタは強いチーム。1個できたら1個できなくなった、というのではダメ」と唇をかんだ。

藤井雄一郎監督
スピアーズは7勝1敗、BPつき勝利で勝ち点を35に伸ばし2位をキープ。次節は本拠地えどりくに相模原ダイナボアーズを迎える。ブルーレヴズは3勝5敗で勝ち点15のまま、順位を7位に後退させた。次節は鈴鹿で三重ホンダヒートと対戦する。

スピアーズのFWコーチについたヤマハOBの山村亮さん。懐かしいヤマスタへの帰還、直系後輩の伊藤平一郎とノーサイドのツーショット

大友信彦