サクラセブンズがワールドシリーズのグランドファイナルに挑む5月、女子セブンズの国内シーズンも本格的に幕を開ける。
5月5-6日、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2025入替戦への出場権をかけたチャレンジャートーナメントが福岡JAPAN BASEで行われるのだ。RUGBYJAPAN365では大会に先立ち、チャレンジャートーナメントに出場するチームの新戦力情報をお届けする。
【RKUグレース】
チャレンジャートーナメント出場10チームで最も伝統あるチームはRKUグレースだ。太陽生命ウィメンズセブンズシリーズには1年目の2014から出場。記念すべき最初の大会はグレースの本拠地・竜ケ崎市の流経大グラウンドで開催された。シリーズ最高順位は2019年のシリーズ6位。
11位までがコアチームに残留する2023年のシリーズでポイント2差で12位となり降格。2024年の昇格大会では準決勝でブレイブルーヴに敗れ昇格はならず。それでも15人制のシーズンになるとOTOWA CUPではライバルの日体大や社会人主体の横浜TKMを破るなど3勝3敗。
4月6日に行われた関東女子セブンズ2025第1戦の竜ケ崎大会では高井優花がMVPを受賞した。
・新加入選手
黒田紗良 栄徳
後藤渚菜 花巻東
佐藤椿 中標津
田中彩理 クラーク記念国際
淵上佳乃 西部台千葉
マエジマ ナモキ ミコ パメラ オークランド ガールズ グラマースクール(NZ)

後藤渚菜
後藤渚菜は高2、高3でコベルコカップの東北選抜。高3では東北ブロック優秀選手に選出された。NZからの留学生マエジマがどんなプレーを見せてくれるかにも注目したい。
チャレンジャー大会では佐藤と田中の新人2人がメンバー入りした。
【四国大】
2019年リージョナルで2大会に優勝。入替戦で太陽生命シリーズ11位の横河武蔵野アルテミ・スターズを破るなど2位となりコア昇格。2022年は年間10位。
・新加入選手
吉岡美音 鳴門渦潮
リード菜多里 石見智翠館
折目真咲 鳴門渦潮
扇愛心 筑紫台
森田望愛 石見智翠館
宮﨑彩 長崎西陵
田中すみれ 関東学院六浦

扇愛心
扇愛心は2024年の全国U18女子セブンズで筑紫台CHEERSの主将を務めた。高3夏に菅平のコベルコカップに九州選抜で出場。吉岡美音と折目真咲は高2、高3でコベルコカップ、全国U18出場。ともに中学時代は陸上競技で県大会出場。
チャレンジャー大会には田中すみれを除く1年生6人がメンバー入りした。
【BRAVE LOUVE】
ブレイブルーパスの妹チームとして2016年から本格的に活動開始。2022年4月のリージョナルセブンズで優勝し、同年の太陽生命シリーズ静岡エコパ大会に初出場。同年8月のリージョナルセブンズで2位となり2023年はコアチームで4大会に出場したが総合13位に終わりコアから降格。2024年の昇格大会では決勝でディアナに敗れた。今季改めて再昇格を目指す。
・新加入選手
小林詩波 追手門学院大
鳥居泉月
新井琴羽 国学院栃木
萩原光莉 国学院栃木
吉雄陽香 早実高

小林詩波
小林詩波は追手門学院大卒の25歳。追手門学院大4年の2021年には太陽生命シリーズ4大会で8トライをあげる活躍をみせた。卒業後は横浜TKMで3シーズンプレー。身長165cmのサイズ以上に懐深いプレーが光るユーティリティプレイヤーだ。
吉雄は早実高を卒業後、海外留学を経てルーヴに再合流。父は早大-サントリー、U23日本代表などで活躍した吉雄潤さん。
チャレンジャー大会には新加入及び新たにシニア入りした小林、新井、萩原、吉雄、サクラxv香川メレ優愛ハヴィリの妹・香川恵愛シポーラハヴィリのほか、ブレイブルーパスCTBセタ・タマニバル夫人のブリトニー・タマニバルもメンバー入りした。
【日本経済大AMATERUS】
関東学院大/日本代表/コカコーラで活躍した淵上宗志さんをHCに招き2020年に創部。2023年3月のリージョナルセブンズで3位となってコアチーム入りすると、太陽生命シリーズ4大会すべてで11位、総合11位でコア残留。しかし24年は主力をサクラ15に取られて苦戦。
年間総合ポイントでアルテミ・スターズと並びながら年間の総得失点差で下回り無念の降格となった。今季も町田美陽、垂門奈々がサクラ15を経験。垂門はアメリカから初勝利を奪った4月27日の試合で初キャップ初トライを決めた。
・新加入選手
只野華梨 常磐木学園(宮城)
長江茉姫 四日市メリノール
髙木遙香 四日市メリノール
髙木遙菜 四日市メリノール
石垣未夏美 京都成章
中塚美咲 上宮太子
安田釉香 東大阪大敬愛
潰田有紀 鳴門渦潮
是本 優 玖珠美山(大分)
深田こはる 富島(宮﨑)
高橋日和 延岡星雲

潰田有紀
潰田は2024コベルコカップの優秀選手(四国選抜)。石垣は2024全国U18女子セブンズで4トライをあげ大会トライランク5位タイとなった。只野は宮城DIANATEで、中塚と安田はOSAKA CRAZY GIRLSで、是本はCHEERSで、2024U18全国女子セブンズに出場。
チャレンジャー大会には新人では石垣が、サクラxv米国遠征から帰国した垂門もメンバー入りした。
【アザレア セブン】
2019年に清宮克幸理事長・小野澤宏時HC体制で活動開始。同年の入替戦(2位までが残留/昇格)は5位。22年のリージョナルでは9チーム中7位で太陽生命シリーズ静岡大会にスポット参戦で初出場を果たすが、23年のリージョナル(4位までがコアチーム入り)は5位、2023年の入替戦(1位が残留/昇格)は7位、2024年の昇格大会(1位が自動昇格)は3位と、悲願のコアチーム入りは果たせていない。
・新加入選手
成田萌里 名古屋リゾート&スポーツ専門学校(名古屋レディース)
松井香保里 追手門学院大(鳴門渦潮)
レイラニ・ナイヤガ 開志国際→静岡産業大

レイラニ・ナイヤガ
レイラニはユースアカデミー生で2024年コベルコカップの北熾熱ブロック優秀選手。全国U18女子セブンズにはORYGINA NIIGATAで出場し、大会2位の6トライをあげた。
成田は春日丘高2年の2017年太陽生命シリーズ東京大会に名古屋レディースで、2022年熊谷大会にチャレンジチームで出場している。
チャレンジャー大会には新加入の3人揃ってメンバー入り。サクラxvで2017年ワールドカップに出場した平野恵里子(当時は横浜TKM所属)、元アルテミ・スターズの久保光里らベテランとのミックスチームで上位を目指す。
【早稲田大】
それまでアルテミ・スターズでプレーしていた千北佳英、ブレイブルーヴでプレーしていた岡本美優らの経験者に他競技からの転向組を加え、早大の学生のみで昨年4月に活動開始。初陣となった同5月の昇格大会では9チーム中8位だった。
・新加入選手
高橋みひろ 関東学院六浦
高橋あいり 関東学院六浦
萩田未来琉 麗澤
尾久土栞 京都成章

高橋みひろ
人数は4人と少ないが世代屈指のトップ選手が4人入部した。高橋みひろ&あいりの双子は息の合った連係プレーで昨年のU18全国女子セブンズで関東学院六浦の優勝に貢献。みひろは3トライ、あいりは2トライをあげ、みひろは大会MVPを受賞した。萩田と尾久土はセブンズユースアカデミー生で、尾久土は高2と高3、萩田は高3で、NZで開かれたグローバルユースセブンズに「U18女子SDS」チームで出場。準決勝でNZ、決勝でオーストラリアを破り優勝を飾る一員となった。
チャレンジャー大会には新人では高橋ツインズと尾久土がメンバー入り。4月の関東セブンズを欠場したエース岡本美優もメンバー入りした。
【神戸ファストジャイロ】
昨年の昇格大会では準々決勝でディアナに5-21で敗れ、最終戦では四国第二10-36で敗れ6位。今季はそのとき敗れた四国大から辰巳美咲希、小池玉紗、金島瑠奈が加入した。
・新加入選手
辰巳美咲希 四国大
小池玉紗 四国大
金島瑠奈 四国大

金島瑠奈
チャレンジャー大会では新人3人もメンバー入り。元東京山九フェニックスの高橋李実(石見智翠館―法大卒。筑波大SH高橋佑太朗の姉)が主将を務める。
【弘前サクラオーバルズ】
昨年の昇格大会では9チーム中7位。
・新加入選手
ミリカ・トカイザケ フィジー国立大
ライサニ・モセイサワナ フィジー国立大
尾形ここ 湧別高

ライサニ・モセイサワナ
フィジー出身のミリカ・トカイザケ、ライサニ・モセイサワナの2人が新加入。ライサニは4月の関東女子セブンズ熊谷大会で豪快な独走など5トライをあげて大会MVPを受賞した。尾形は昨年のコベルコカップに北海道選抜で出場
チャレンジャー大会では、昨年の太陽生命シリーズでチャレンジチームを経験した新居里江子、鬼多見友里愛のダブルエース、元アザレアセブンの山形詩織もメンバー入り。2023年にNZオークランド代表でNZ選手権「ファラ・パーマーカップ」優勝を経験した片岡瑞帆が主将を務める。
【名古屋レディース】
サクラセブンズの兼松由香HCをはじめ数々の女子ラグビーレジェンドを輩出してきた名門チームが久々で参戦。1999年に香港女子セブンズに出場した初代サクラセブンズの一員・永田早矢(50)、その前年に国内で初めて開催された女子15人制テストマッチに永田とともに出場した岡田梨加(48)という大ベテランもメンバー入りしている。川岸由季奈は2014年の太陽生命シリーズ1年目から名古屋レディース/ユニゴンズで出場。2016-2019年にはチャレンジチームでも出場した。
【湘南ベルマーレBell7】

森町瑞季
昨年の昇格大会にも出場したベテラン室岡絵里(45)は、サクラセブンズの名前もなかった2001年の香港女子セブンズに出場した元7人制/15人制女子日本代表のレジェンド。北海道ディアナやアルテミ・スターズで活躍した齋藤亜里穂、レフリーでも活躍する森町瑞季もメンバー入りしている。
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |