8月23日、宮崎合宿を行っているラグビー日本代表は練習の様子を一般公開し、約600名もの多くの方がエディージャパンの練習を見学した。練習後にはファンとの交流もあった。この日は「コンタクトデイ」ということで、FWとBKのユニット練習を約30分行った後、ハードな全体練習が1時間行われた。その後、FWはさらにスクラムセッションを行った。
練習後のエディー・ジョーンズHCのコメントを紹介する。
ラグビー日本代表 エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC
――今日はコンタクトデイでハードなセッションをしていました。
合宿で2度目の体をあてるセッションで、1度目より改善できた。戦術面でいろいろ落とし込んでいる。フィジカル面もやっている。今日の(PNC)のカナダ対アメリカ、トンガ対サモアの試合を見てもわかるように、PNCのインテンシティーが上がっているので、現状がわかる良い大会になると思います。試合が近くなると体作り、キャパシティーの比重は少なくなってくるが、この1週間半でそこも上げることができるが、改善の余地もあります。

今日の練習は一般公開された(写真:江良颯)
――PNCで成長させていきたいところは?
新しい戦い方を試しているが、試合の状況に柔軟に戦うところが一番見たいし、ディフェンスの安定性も見たい。
――BKは宮崎で3日間練習しました。伸びた点は?
クボタのCTB廣瀬は途中から合流したが感心していますし、成長しています。WTBのキックのポジショニングも改善しています。
――FWの練習の成果も見えていますか?
成果は出ていると思います。ウェールズの1試合目はスクラムで圧倒していたが、2戦目は初戦ほど圧倒できていなかった。スクラムの優劣はいろんな要素があり、レフェリーが介入したり、相手が組み方を変えてきたりするが、ジャパンはスクラムに取り組み続けていて武器になると思っています。

WTB石田吉平
――昨日の練習は一度、止めようとした?
ジャパンの求められるスタンダードで練習できていなかったので、このままやるか、止めるか判断を促した。10年前だったらギャーギャーわめき散らしていたと思うが、今はやはり選手たちに自主性をもたして、選択肢を与えるということで、やるのかやらないのかということを決めさせて、大概は正しい判断をしてくれます。

練習後半はコンタクトスーツを着たセッションも
――今日の練習はそれが反映されて良かった?
今日は素晴らしい努力、遂行力を見せてくれた。特に練習の序盤が良かった。常に良い練習をしていたら、さらに良い練習はできない。悪い日もあった方がさらによくできる。結果を得る前に試練がないと良い結果が求められない。
――PNCの登録メンバー28名(遠征は30人)は決めました?
今日の午後、決めました。発表は来週です。
――キャプテンを決めている最中ですか?
キャプテンは誰になるかという見立てはあります。適切なときに発表します。

コンタクトデイということで激しいセッションも
一番練習の評価が高かったCTB廣瀬雄也

廣瀬雄也(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
――カナダ代表戦で期待している選手?は
クボタのCTBの廣瀬はメンバーに入っていなかったが、与えられたチャンスをものにしようとしています。李も良い練習をしていた。カナダ代表はW杯に入るために必死に戦ってくるので、背骨のポジション、15、9、10、2、8番が大事になってくる。フィジカルでもカオスになると想定しています。

SO李承信
今日の練習は江良、マキシ、藤原、李、グリーンが非常に良いトレーニングをしてくれた。あと明治大の(FB竹之下)仁吾、今日はジャパンに入って一番良いセッションを見せてくれた。このまま成長すればジャパンでプレーできるチャンスが来ると思います。
――南アフリカ代表戦が正式に決まりました。受け止めは?
まだそこまでに試合がたくさんあるが、そこまで考えていないが(2015年W杯で対戦してから)10周年を記念してそういう試合が行われることは素晴らしいことです。その週になったらかなり興奮が高まると思います。南アフリカはこの8年間、世界のトップに君臨しています。2015年に日本に負けてから、その後の2大会のW杯は優勝しています。南アフリカも日本もラグビーの状況が変わったと思うが、10年経て戦うのは歴史的一戦になると思います。

WTB竹之下仁吾、エディーHCによれば今日のセッションでのパフォーマンスが今までで一番よかったという
(イングランドで)南アフリカとの再戦で、また再現できるかなとみなさんは期待するかもしれませんが、南アフリカはなんとしてもそうさせないと来るはずなので、そういう両者が対戦するので素晴らしいゲームになると思います。そして、今回対戦するスタジアムが伝統あるウェンブリーで若手選手が試合できることも本当に素晴らしいことです。
――秋は5連戦ですが……
それは自分たちのコントロール外で、試合がフィックスされていって、いつどこでやるかは従順に真面目な学生みたいにやっているだけです。

FWは最後にスクラムセッションでこの日の練習を締めた