17日、シーズン4位でプレーオフに初進出した静岡ブルーレヴズは、5位のコベルコ神戸スティーラーズと対戦。前半18分、WTBヴァレンス・テファレがシンビンで14人となるものの、前半を10-17で折り返した。

北村瞬太郎

マロ・ツイタマ

クワッガ・スミスはリザーブから

ヴァレンス・テファレのトライ
後半からキャプテンのFLクワッガ・スミスを投入し、流れを取り戻そうとするも、先にトライを許し10-24とリードされる苦しい展開。そんな中、レギュラーシーズンで何度も目にした、流れるようなカウンターアタックでSH北村瞬太郎がトライ。

山口楓斗から

マロ・ツイタマからチャールズ・ピウタウへ

ピウタウから北村瞬太郎へつながり

ゴール中央にトライ

これで息を吹き返すとサム・グリーンのPGも決まり、4点差に迫った。そこから試合は膠着状態。スコアが動かぬまま、後半33分にトライを奪われ突き放されてしまう。後半残り6分少々、焦りからから連続ペナルティで2本のPGを許し試合終了。20-35で敗れ今シーズンを終えた。

後半スクラムペナルティーを獲得

サム・グリーンのPGで4点差。射程圏内に入ったかと思われた…
ノーサイドの瞬間、今シーズン、ルーキーイヤーながら大活躍したSH北村瞬太郎は泣き崩れた。藤井雄一郎監督、クワッガ・スミスキャプテンとともに、試合後の北村瞬太郎のコメントを紹介する。
静岡ブルーレヴズ SH北村瞬太郎

――試合後泣いていましたね
ただただ本当に悔しかった。何もできなかったのが涙の原因かな。80分間の打ち合いで負けたことが悔しかった。
――終始、プレッシャーをかけられる展開になった
ゲームメイクのところで後手に回ることが多くて、そこが押し込まれる原因になってしまった。シンプルに、神戸さんの方が強かったので焦ってペナルティーを繰り返してしまった。
――良いトライもあり4点差となりましたが……
良い時間でトライ生まれて、リスタートのキックオフでミスしてしまって、帳消しではないが、自陣でラグビーをしてしまったことが今回の敗因になったのかな。

――プレーオフで一番経験できたことは
レヴズとしても僕としても初めてのプレーオフで、気持ちではいつも通りのプレーをしようとしていたが、いつも通りのプレーができなかった。
――対面のベテランの神戸SH日和佐選手がPOMを取りました
個人対決のところはあまり意識していないが、日和佐さんの上だった。シンプルに受け止めて、しっかり試合を見返して、日和佐さんが盗めるところは盗んで、来季は誰にも負けたくない。しっかり振り返ってリーグワンで一番のSHになれるように、この1年、ゼロからやっていきたい。

対峙するは、ベテラン日和佐篤
――同じ相手と3回対戦したが、難しさはなかったか……
やりやすくはないが、そこはあまり考えないようにしていたが、結果的に出てしまったのかな。スクラムもそう、ディフェンスのところも、気持ちの部分が全面に出ていて受けに回ってしまった。ずっと追う展開になって、前半の終わり間際にショットを選択したプレーももっと上手く攻めていれば、5点か7点で終われたと思うので、僕自身、つっこんでしまったので、そこが一つのターニングポイントになってしまったのかな。
――大きい試合でもっと力を出すためには
やっぱり嫌な試合なときに、自分たちが帰られる場所、スクラムやラインアウトモールなど、焦ったらスクラム、モールに立ち返ろうという場所をもっと磨いていったら、緊張する場面でもレヴズらしいラグビーができるかなと思います。

――今シーズン、これだけ活躍すれば日本代表に呼ばれる可能性もあるのでは?
今までシーズン通して、代表を考えてしまうと、レヴズのラグビーが集中できなくなるので、やっぱりシーズンも今日、こういう形で終わってしまって、ラグビーをやっている以上、日本代表や世界は誰もが目指したい場所だと思うので、これからも目指していきたい。(すでにJAPAN XVに選ばれているブラックラムズのSO伊藤耕太郎と)一緒に(日本代表に)選ばれたいですね!
――今シーズン、なぜここまで飛躍できたのか
「原点に帰れ」と藤井さんに言われた一言がここまで変えてくれたと思います。藤井さんに言われて、最初は半信半疑でしたが、シーズン通して、藤井さんに言われたことが今の自分の強みになりました。
静岡ブルーレヴズ 藤井雄一郎監督

藤井雄一郎監督
最初からプレッシャーをかけるのは難しいかなと思っていたので、ペナルティーについては、選手の方がナーバスになっていて、あんまり正しいスクラムが組めていかなった。後半は多少修正出来ていたんですけど、崩れた時はレフェリーかタッチジャッジに任せるしかないんですけど、その笛が自分たちに吹かれることが多かった。そこは誤算だったんですけども、まあそれがラグビーなので仕方ないかなと思います。
――今日の試合で自分たちが勝ちきれた部分は?
試合に負けているので出し切れていないと思います。天候もありますが、それは一緒で、10個もペナルティーしていたら勝てない。用意したプレーも出来ていないですし、その中でも何とかくらいついてはいた。大事なところでミスがあったり、ペナルティーがあったり、

ショーン・ヴェーテー

大戸裕矢
――後半20分で4点差まで追い上げてきて、そこからギアが上がらなかった要因は?
大事なところでペナルティーが多かったなと思います。ラインアウトのミスだったり、ちょっと取り急いだことがあったかなと思います。
普段通りのプレーをしようということだったんですけれども、中にはちょっと硬くなった選手もいたかな。なかなか流れがこっちに来なくて、自分たちのペースになれなかったで、これが経験(の差)なのかどうかと言われると、ちょっとわかんないですけど、選手たちにとってはいい勉強になったかなと思います。
ーープレーオフを経験したことで得られたものは
勝って次に行きたかったというところですが、この悔しさはチーム全体で味わったということで、今年一年かけて大きく成長したと思いますし、本当にハードなトレーニングをみんなしてきた。本当にもう少しのところまできているので、この悔しさを繋いでいって、練習して頑張りたい。

作田駿介
静岡ブルーレヴズ クワッガ・スミスキャプテン

クワッガ・スミス
――後半うまくいかなったのは
神戸さんはすごく今日いい試合をしたと思います。自分たちの方から、スタートからドミネートしていかなきゃいけないところでできていなかった。ペナルティもたくさん与えてしまった。
後半、4ポイントまで追いかけることが出来たんですけども、そこでまた取られてしまうという形になってしまった。ただ、自分たちの選手たちは本当にギブアップせず、諦めずにプレーをし続けたことに関してはすごく頑張った。今日は自分たちの遂行力のところがなかった。
シーズンを通して、自分たちがやってきたラグビーの遂行力があり、たくさんいいゲームができた。今日に限ってはそこの部分がしっかりと出すことができなかった。
また新しいシーズンが始まるので、今シーズンを通じて学んだことはたくさんあるので、それを次のシーズンでは活かしてプレーしていきたい。

ーープレーオフを経験したことで得られたものは
たくさんの選手がプレーオフ初めてでした。未来に向かっていい経験になった。何人の選手はすごく緊張していたと思います。自分たちがシーズン通してやってきたことはすごく良かった。まだ試合を振り返っていないので、チームとしては、すごくネガティブな気持ちが多いですけど、しっかりとレビューをして、自分たちが良かったところをしっかり見つめて、良くなかったところは次のシーズンで直していくことが重要だと思います。
今回プレーオフのクウォーターファイナルまでこれたというのは自分たちの未来につながる経験だったと思います。