12月14日(日)味の素スタジアムではNTTジャパンラグビーリーグワン開幕節、屈指の好カード、三連覇を狙う東芝ブレイブルーパス東京が埼玉パナソニックワイルドナイツを迎え撃った。会場には32,613人の観衆が訪れた。戦前の予想では、僅差での試合だったが、思わぬ展開となった。
前半7分にワイルドナイツがSO山沢拓也のPGで先制すると14分には敵陣ラインアウトから坂手淳史がトライを決めリードを広げる。ブレイブルーパスは、WTB桑山聖生がハイタックルでイエローカードが出され、数的な優位をワイルドナイツに与えると、ワイルドナイツは、2トライ2ゴール1Gの17点を決め、27-0とリードを広げる。

山沢拓也のPG

トム・バートンのトライ

ヴィンス・アソ
フラストレーションが溜まる展開でブレイブルーパスは連続ペナルティ。山沢拓也が2PGを決め、前半だけで33-0と一方的な展開で前半を終えた。
後半、巻き返しを図りたいブレイブルーパスだったが、規律の部分は修正することができず2つのPGを与え0-39とリードを広げられ後半が進む。さらに後半35分にもPR三上正貴にイエローカードがだされると、後半36分にワイルドナイツが敵陣ゴール前のペナルティからFLラクラン・ボーシェーがクイックリスタートでトライ。46-0としそのままノーサイド。46-0でワイルドナイツが、前年度覇者のブレイブルーパスを完膚無きまでに倒しきり、金沢篤新HCの初陣を完勝で飾った。この試合ではSO山沢拓也がPOMに選ばれた。

ラクラン・ボーシェーのトライ

POMの山沢拓也
HIGHLIGHTS
埼玉パナソニックワイルドナイツ 金沢篤HC

金沢篤HC
今日の試合は、自分たちのラグビーを示すということでした。まさにそれを選手たちがやってくれたなと思います。ゲームの中で当然、波が自分たちにきたり、相手に言ったりということがありましたけれども、いい我慢でそこで気を離さずやってくれたことが今日の承認になったかなと思います。

スクラムコーチに就任した堀江翔太氏
――この点差での勝利
点差はいろいろなことが起こって最終的にでるものなのであまりこだわりはありません。選手たちが良くやってくれたと思います。重要なのは次の試合にどう活かせるかだと思っています。
埼玉パナソニックワイルドナイツ PR坂手淳史キャプテン

坂手淳史キャプテン
プレシーズンでやってきたことだったり、今週1週間やった準備のところが。いいかたちでゲームに反映されたかなと思います。各コーチが色々な仕込みをしてくれて、選手がそれを理解したうえで、準備にもつながったのが試合にでました。
試合の前に金沢HCからも自分たちのマインドセットについて話があり、チームとしてもそこに関与していってチームとして前進することができたので自信につながりました。
これから自分たちがいろんなものを足していって、いいものを作っていって、いいシーズンにしたい。
――ディフェンスについて、ゼロ点に抑えられたこと
コリジョンのところ、タックルの1人目、2人目のところに関してはプレシーズンからすごくこだわってやってきました。プレシーズンの試合では失敗したり、成功したりしましたが、布巻さん中心にレビューしながら構築してきました。こういうゲームができたことで自分たちのディフェンスに自信を持って、さらに前へいけると思うので、さらに強くなって、早く前に出れるというところはポジティブだと思います。
――2連覇した相手との開幕戦

ロビー・ディーンズ氏の姿も
今週は緊張感がありました。シーズン開幕の緊張と良い準備ができたという自信はありましたが、それをゲームでどう出すかという部分で緊張がありました。出場しない選手たちが仮想敵役をやってきれて本当に今週はプレッシャーをかけてくれました。それは大きかったです。23人が頑張りましたが、それ以外の選手たちのサポートも必要でした。
埼玉パナソニックワイルドナイツ CTB谷山隼大

谷山隼大
マインドセットがかなりよかった。今日の試合を決勝戦のように思って戦えという話があって気持ちが入りました。そういう気持ちでやったのが良かったかなと思います。

谷山隼大
アタックではかなりスペースが見えていたのでもっともっと運べるところがあったのかなとは思いますが、全体的に良かったかなと思いいます。長いシーズンなので、今日のような試合を一つ一つ積み重ねていくことは自信になると思います。
東芝ブレイブルーパス東京 トッド・ブラックアダーHC
まずはパナソニックさんにおめでとうとお伝えしたい。要所をしっかり抑えて。東芝としては中々流れを掴めず、ボールを持てたのは何回かあったんですけども、その中ですごくプレッシャーを感じてしてまって、無理なプレーをしなきゃいけないというふうに感じてしまって、それによりエラーがでてという流れになってしまいました。

トッド・ブラックアダーHC
パナソニックさんはフィジカルなところもしっかり調整してきていて、単発の強さもあって、ずっとディフェンスする時間帯が続きやられてしまった。
東芝ブレイブルーパス東京 FB松永拓朗ゲームキャプテン
ペナルティーの多さで自分たちの首を絞めてしまった。もう一つ、アタックでもボールを継続してもミスしてしまって、勢いに乗れなかった。パナソニックさんのプレッシャーを感じている部分がたくさんありました。

松永拓朗ゲームキャプテン
我慢してボールを継続してアタックし続けるということが本当に必要だなと感じています。今日は完敗してしまいましたけど、伸びしろしかないなと感じているのでこれからスキルを使って自分たちのラグビーができるように成長したいと思っています。

客席にはワーナー・ディアンズとリーチマイケルの姿も
――リーチマイケルキャプテンが不在だったことは影響したか
試合に関しては、メンバーがどうこうというのは全く関係ない。チームもいい準備できていましたし、それに対して、同じ方向を向けていた。絶対的キャプテンのマイケルさんがいないということは、やっぱりチームの対応という部分でもあると思いますし、僕自身もマイケルさんに頼りすぎていたなと思います。もっと自分からどういうメッセージを遅れるのか、試合中、どうやってチームを変えることができるのかというのは自分にとってすごく難しかった部分でした。
――次の試合が重要になってくる
練習から、チームとコミュニケーションをとること。それから意識しないといけないところを自分たちは明確に分かっているんで、修正が必要なときに自分がリーダーという立場を自覚してやっていきたい。
東芝ブレイブルーパス東京 PR木村星南
ミスも多くて自分たちで自分たちのことを苦しめたかなという印象があります。セットプレーでは、ラインアウトは良かったものの、スクラムで何本かペナルティを取られて流れを掴めなかった。スクラムについては自分たちがもっとクリアなピクチャーを見せることが大事だったかなと。
試合後は、そこまで多くを話していないですけど、僕らの現状がこうだということを受け入れないといけないと思いますし、別にこれで終わりじゃないし、伸びしろもあるので修正すれば次につながることは多くあると思っています。
パナソニックさんのダブルタックルが良かったというのもありますけど、僕たちももっとアタックの中でできたことがありますし、ブレイクダウンのところもですし、スキルの部分でも、改善点はわかっています。
東芝ブレイブルーパス東京 SH杉山優平

杉山優平
ブレイクダウンでの寄り、寄せられてしまった部分はあったんですけど、自分たちが寄りすぎないようにしようとしていたんですけど、一人一人が責任持って役割を果たせれば問題はなかった。何人か、グラウンドの外から見てもわかったと思いますが、カッとなってしまって、勝手なプレーをしだすとやっぱりこういうことになってしまう。
今は不安しかないですけど、自分の役割をしっかりやろう。試合中にできなくなったらここに戻ろうみたいな、細かいことをやっていくしかない。
SCOREBOARD
NTTジャパンラグビー リーグワン 2025-26 ディビジョン1 第1節 カンファレンスA
TRY(0)G(0)PG(0) PENALTYPK(10)FK(0)TRY(4)前半14分 2.坂手淳史, 前半23分 8.カイポウリヴィリアミアフ, 前半27分 15.トム・パートン, 後半36分 7.ラクラン・ボーシェーG(4)前半15分, 前半25分, 前半28分, 後半37分 10.山沢拓也PG(6)前半7分, 前半21分, 前半37分, 前半40分, 後半3分, 後半9分 10.山沢拓也 PENALTYPK(4)FK(0)1 木村星南 後半27分 OUT → IN 17 三上正貴2 橋本大吾 後半27分 OUT → IN 16 酒木凜平3 ヴェア・タモエフォラウ 後半9分 OUT → IN 18 小鍜治悠太4 ジェイコブ・ピアス 後半18分 OUT → IN 19 カラム・マクドナルド5 マイケル・ストーバーグ 6 シャノン・フリゼル 7 佐々木剛 8 山本浩輝 後半18分 OUT → IN 20 アフ・オフィナ9 杉山優平 後半23分 OUT → IN 21 高橋昴平10 リッチー・モウンガ 11 ネタニ・ヴァカヤリア 後半18分 OUT → IN 23 ティージェイ・クラーク12 眞野泰地 後半0分 OUT → IN 22 ロブ・トンプソン13 セタ・タマニバル 14 桑山聖生 15 松永拓朗 16 酒木凜平 17 三上正貴 18 小鍜治悠太 19 カラム・マクドナルド 20 アフ・オフィナ 21 高橋昴平 22 ロブ・トンプソン 23 ティージェイ・クラーク
埼玉パナソニックワイルドナイツ
1 クレイグ・ミラー 後半16分 OUT → IN 17 稲垣啓太2 坂手淳史 後半21分 OUT → IN 16 佐藤健次3 ヴァルアサエリ愛 後半19分 OUT → IN 18 リサラ・フィナウ4 リアム・ミッチェル 5 エセイ・ハアンガナ 後半31分 OUT → IN 19 オッキー・バーナード6 ユアン・ウィルソン 7 ラクラン・ボーシェー 8 カイポウリヴィリアミアフ 後半16分 OUT → IN 20 長谷川崚太9 小山大輝 10 山沢拓也 11 長田智希 12 ヴィンス・アソ 後半35分 OUT → IN 21 萩原周13 谷山隼大 後半27分 OUT → IN 22 モーリス・マークス14 竹山晃暉 後半28分 OUT → IN 23 齊藤誉哉15 トム・パートン 16 佐藤健次 17 稲垣啓太 18 リサラ・フィナウ 19 オッキー・バーナード 20 長谷川崚太 21 萩原周 22 モーリス・マークス 23 齊藤誉哉