初心者からベテランまで現代ラグビーがわかりやすく「ラグビーを観戦するため」の指南書が発売された。斉藤健仁氏による「ラグビー『観戦力』が高まる」(東邦出版)である。本サイトでも現地の情報をいち早く発進していただいている斉藤氏に、本をどういった経緯で出版するにいたったのか、どういったところを読んでほしいのかインタビューを敢行した。
――この本を出版するきっかけは?
斉藤氏 これまで雑誌やWebで書き溜めていたものがもともとありました。ポジションごとの特集やテクニカルな話など、そういったものをカタチにしたいなという思いもあり本書でそれを実現することができました。
――今回は『ラグビー「観戦力」が高まる』ということで単にルールやテクニカル書でないですね。何かこだわった部分はありますか。
斉藤氏 できるだけ実際に試合でおきたシーンを出すようにして、イメージを沸きやすいようにしてみました。また、これまでのラグビーに関するルール本といえば、そのほとんどが「競技者向け」でしたが、この本は「競技者」にも読んでいただければうれしいですが、「観戦者」を意識しました。
たとえば「ラインブレイクした! わあすごい」ということだけではなく「どうしてラインブレイクできたのか」「どうしてトライを取れたのか」といったことを少しでも理解できているとまた違ったラグビーの楽しみ方ができると思います。
――本書では日本代表ヘッドコーチであるエディ・ジョーンズ氏に関する記述もありますね。
斉藤氏 はい。エディさんがどういう考えで日本代表のラグビーの強化を行っているか。さらに日本のメディアやファンにラグビーをどのように見てほしいかということもお聞きしました。
――エディさんが口々に「ラグビーは世界で最も複雑なスポーツだ」と言われますが、どう思いますか?
斉藤氏 確かに15対15というボールゲームで選手が一番多いスポーツなので、複雑だと思います。ただ「トライを取る」というシンプルな目的があるので、観戦される方は、どうしてトライになったか、どのようにしてトライになったのかということが少しでもわかるとラグビーをもっと楽しめると思います。
ラグビーの場合、サッカーやバスケットボールといった他の球技に対して戦略、戦術に関する本が少ないのが現状です。ですが、ラグビーでも当然、そういった観点はありますし、強豪国ではそういった記述が多々見られます。

――斉藤さんご自身は、試合のいろんなシーンを覚えているのですか?
斉藤氏 すべてではありませんが、印象的なプレーは覚えています。ただ、この本を書くにあたってもう一度ビデオを見直しましたが(笑)。トップレベルになると一つ一つのプレーにも意図があります。また、今回、第3章に「試合の流れを変えるプレー」というものを入れてみましたし、チームとしての戦術に関しても取り上げています。特にエディ・ジャパンが行っている「アタック・シェイプ」に関してはどこよりも詳しく書いたつもりです。
「最近ラグビーを見ていないなあ」という方や、なんとなく「ラグビーを見ていた」という方に、ラグビーをもっと楽しんでもらえるきっかけになれば嬉しいですね!
――斉藤さんにとってラグビー観戦で一番楽しいところは?
斉藤氏 やっぱりトライですよね。やはり、意図的に組織的ディフェンスを崩してトライを取り切ったシーンですね。本書でも、このことは触れていますので是非、ご覧ください!
エディ・ジャパンが始まってから全試合現地で取材している斉藤氏だからこそ、今日本のラグビーが何をしようとしているのか、どんなラグビーを目指しているのか詳しく伝える事ができるのだろう。ラグビー観戦者のみならず、ラグビーの指導者、競技者の皆様も一読してみてはいかがでしょうか。
今回の出版を記念して、「ラグビージャパン365」にご加入いただいている会員の皆様から抽選で3名様に「ラグビー『観戦力』が高まる本」をプレゼント!
*2013年11月30日までに購読手続を完了された会員の方が対象となります。
是非この機会に「ラグビージャパン365」もあわせてお楽しみください。