女子ラグビーの国内最高峰、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ開幕が21日に迫った。
RUGBYJAPAN365がお届けする新年度の新加入選手情報第4弾は九州のナナイロと埼玉のアルカス。サクラセブンズ勢がごっそり復帰のナナイロには世界と高校で活躍したトライクイーンが加入。王座奪回を目指すアルカスはルーキー2人が立正大のカレッジセブンズ準Vに貢献、地元・熊谷の開幕戦で躍進を狙う!
ナナイロプリズム福岡
伊礼門千珠(いれいじょう・ちじゅ) 佐賀工→久留米大/沖縄アカデミー-デイゴRS 18/153/52
レアピ・ウルニサウ フィジー代表 30/163/64

伊礼門千珠
コア昇格1年目の2023は第4戦花園大会で2位に入り総合4位に食い込んだ。2年目の昨季は第1戦の地元・北九州で3位に食い込んだが続く熊谷と鈴鹿では4強を逃すなど苦しい戦い。最後の花園では4位に食い込んだが総合順位は6位に後退してしまった。
今季は、パリ五輪への準備で昨年4大会を全休した大黒柱の中村知春、パリ五輪スコッド入りしながら五輪本番は逃したものの今季のワールドシリーズではサクラセブンズの主力で活躍した永田花菜、吉野舞祐、大橋聖香が復帰しそうだ
新戦力は佐賀工から加わった伊礼門千珠。沖縄・名護市の出身で、7歳違いの姉・千紫(ちゃみ)に続き姉妹でのナナイロ入りだ。2019年ワールドカップのときは中学1年で、熊本会場で行われたフランス対トンガでマンオブザマッチ・プレゼンターを務めた(当初は出場チームのフラッグを持って入場するフラッグベアラーを務める予定だったが、手違いなど紆余曲折があった末に大役を務めることになった…)
佐賀工では全国U18セブンズには3年連続で出場し、2年時に9トライをあげ大会トライ王。昨年12月のグローバルユースセブンズではNZ&オーストラリアを破って優勝の一員となり、6月7-8日のカレッジセブンズでは久留米大・九産大のWTBとして出場し1トライをあげた。
フィジーからやってきたレアピ・ウルニサウは30歳。21年東京、24年パリの五輪2大会に出場し、東京では銅メダルを獲得。23年のワールドラグビーアワードでは女子セブンズプレイヤーオブザイヤーの候補4人にノミネートされた世界のトッププレーヤーだ。
アルカス熊谷
相川らいみ 石見智翠館→立正大/都留RS 18/151/66
大竹琉奈 札幌山の手→立正大/小樽RS 18/159/74
佐藤花南(かな) 秋田工→立正大/出戸浜RSS-秋田ノーザンプレアデス)18/163/58
棚田温香(ゆたか) 四日市メリノール→立正大/豊田RS-レッドスパロウズ 18/157/57
太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2014年の誕生から8大会で7度優勝という絶対王者として君臨したアルカスだが、優勝は2017年第3戦保土ケ谷大会(大雨により決勝中止、日体大との両者優勝)を最後に遠ざかり、決勝進出も2021年第1戦の東京大会(決勝×5-28チャレンジ)が最後。2023、2024年は総合7位に留まっている。しかし6月7-8日のカレッジセブンズでは決勝に勝ち進み、絶対的優勝候補と見られた日体大から終了1分前までリードを奪うみごとな戦いをみせた。

相川らいみ
新加入選手4人のうち札幌山の手からの大竹琉奈、秋田工からの佐藤花南、四日市メリノールからの棚田温香の3人は3年連続で夏のコベルコカップに出場。3年時は大竹が北海道、棚田が東海のブロック最優秀選手に選出された。

大竹琉奈
全国U18セブンズには大竹、棚田、相川の3人が3年連続で出場し、3年時は3人揃ってトライ。大竹が北海道選抜の主将、棚田が四日市メリノールの主将を務めた。佐藤も高1時は東北選抜の一員で出場している。
立正大としてエントリーした6月7-8日のカレッジセブンズでは相川と棚田がメンバー入り。棚田は初日の最終戦で負傷したがそこまでの先発1試合を含む3試合に、相川は2日間の6試合すべてにベンチスタートながら途中出場でシニアレベルを体感。自信をつけて、地元・熊谷で迎えるシリーズ初戦に臨む。
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |